健康って何?
WHO(世界保健機関)における健康の定義
「健康」、「長寿」――これは人間誰もが求める、最も大切なことだと思います。健康で長生きしたいという人間の欲望や願望は、多くの人達に時代や国境までも超えて求められてきました。それでは、「健康」とはどういう状態を指すのでしょう?!1948(昭和23)年、まだ戦後の慌ただしい時期に、WHO(World Health Organization――世界保健機構――現 世界保健機関)が全世界の健康に関する有識者を集め、保健憲章をつくりました。その前文に、下記のような健康の定義を揚げました。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
(健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない。)
わかりやすく説明すると、健康とは病気や虚弱でないというだけではなく、身体の体力値が高く、知的には適切な教育を受け、社会的(家族、地域社会、職場)には豊かな人間関係があり、精神的にも安定している状態である(精神的健康・社会的健康・身体的健康のバランスが取れた状態)というものだと言えるでしょう。
日本の「健康」の基準
「病気」とはあくまで人間が作為的に設けた基準
わたしたち人間の身体はたとえ病気になってもそれを治そうとする力が自然にはたらきます。この「自然治癒力」が何らかの原因で低下してしまい身体に機能障害が起こった状態を「病気」と呼びます。
ところが現代社会に於ける「病気」の概念というものが、あくまでも医学という学術的な見地により作り出された基準によるもので、その基準に満たないものは「病気ではない」という判断をしてきました。
現在、わが国における「健康保険」がまさにその発想で、何かしらの傷病に分類することができて(完全に病気と判断できて)、はじめてその医療点数が決まり、その医療点数によりあなたの診察料なるものが算出されています。こうしたことに起因し、多くの方が「病気ではない」=「健康」という認識をもっているようです。しかし、それは本質的に「健康」といえるのでしょうか?
増えつづける生活習慣病
どことなく身体が重たいのだけれど「風邪ではない」――医者に行くとこうした診断をされ、油断した結果、数日後に風邪を引いてしまった――みなさんも一度や二度はそういった経験ありませんか?
専門家の間ではこのような状態を「未病」とか「半健康人」、「半病人」などと称しており、病気ではないけど、疲れが取れない、寝起きが悪い、頭痛がおさまらない、あるいは便秘気味等、決して健康とはいえない状態を指しています。そして残念なことに、もはや大多数の現代人が、この健康でも病気でもない状態にあると言われているのです。
Valuable information
2017/7/12 更新